正確な疲労試験の難しい薄板・細線に

共振式薄板・細線疲労試験装置

RFシリーズ

 

本装置は共振技術を利用し、試験片の加振に共振性能を用いて、試料や治具にダメージを与えることなく疲労試験のできる装置です。
従来は、1mm以下の細線や薄板の疲労試験は振動側を挟んだナイフエッジを振動させて行っていたようですが、疲労試験中にナイフエッジがすり減ったり試料面の摩耗などで安定した試験は難しかったようです。

基本的な原理は次の論文です。
Journal of the Society of Materials Science, Japan, Vol.58, No.8, pp.703-708, Aug,2009

論文で使用されているスピーカー加振に替えて、独自開発のコンパクトな特殊駆動構造騒音のでない加振部を使用し、マイコンを使用して自動制御するなど、扱いやすい装置にしています。

本装置はパソコンに接続し、パソコンから操作します。下図の「試料条件入力箇所」に試料のサイズやヤング率などの試料に関すデータを入力し、右の「試験条件入力個所」には試験負荷や試験回数の上限などの試験条件を入力します。

そして共振周波数を自分でセットするかRFの自動検索機能に任せるかでスタートボタンを押すと、試料は共振周波数で振動し、目的の負荷に応じた振幅に制御して試験を始めます。

一般的には共振周波数は試料材質が疲労するにつれて小さくなります。この共振周波数はヤング率に比例しますが、この共振周波数の変化は材料の疲労具合を示します。本装置は単純に試料の破断までの回数求めるだけでなく、その共振周波数の変化からヤング率の相対変化として時系列変化を示し試験中の疲労具合を見ていただけます。このグラフには相対ヤング率だけでなく加振力の変化や監視し制御している振幅も参考のために表示させています。

最終的に設定した破断条件になると、試験を停止し、画面左下のSNグラフに自動的にプロットします。このSNグラフを見て、次の試験負荷をすぐに決めることができます。

このように、単なる疲労回数を求めるだけでなく、疲労具合をみたり、設定を容易にする工夫が多く含まれています。

 

 

振動数が数百Hzのため10回が定時間内に試験ができ、試験終了とともにパソコン画面のS/Nデータをプロットするなど、試験担当者にとって使いやすい装置にしています。
また試験する試料が単純な短冊状か細線なので非常に作りやすく、曲がり部の疲労や数十ミクロンの箔の試験などへの挑戦も進めています。

 

RF型:概略仕様

特  長 新素材試験に最適: 薄板なのでバルクの出来ない新素材開発時点で試験可能
短時間試験が可能 : 共振法で数百Hzで振動させるので 2000万回試験も2日以内
試験中の変化も把握 :相対ヤング率変化の測定で破断までの微小な構造変化も把握
試験片作成が容易 : 単純な板か線材
試験片の発熱なし: 高速試験しながら熱拡散が速く、昇温による試料の物性変化がありません。
SNグラフも即作成: 疲労試験終了と同時に SNグラフにプロットしますので、次の試験条件が決めやすい。
コンパクト: 卓上型で場所を取らず、静かなのでどこにでも移動して試験が出来ます。
試験方式 両振り R=-1 振幅制御
振動方式 片持ち共振法
破断判断 ヤング率の急激なダウン時を破断と判断
通電確認によるぶらぶら状態でも未破断とのミスがない。
加振方式 電磁加振方式
振幅検出 高精度レーザー変位計 最大振幅±5mm
振動範囲 100Hz~1000Hz
試験試料 金属、セラミックス、樹脂
試料形状 板材 (0.05~0.8)mmT ×(3~5)mmW ×(15~35)mmL
標準サイズ:(0.1~0.8)mmT ×(3~5)mmW ×(25~35)mmL
線材 (0.1~0.5)mmφ ×(25~35)mmL
※ 材質や厚み等によって最適な寸法で試験します。
※ 線材の場合は試料先端に変位計測用の小紙片を接着します。
また、直線性が必要です。
機  種 RF-RT (室温)
RF-HT(高温用 は室温~200℃)
装置寸法 350W×260D×300H
その他 ※ 写真や仕様は改良などに伴い、変更している可能性があります
※ 上記仕様は標準仕様です。ご要望に応じて対応します。